健康な子供を授かりたい、だれもが思うことです。
あえて障がいを持った子を授かりたいと思う人はいないでしょう。
そう思うことは自然なことであると思います。
しかし、誰がどの場所で言うかによってすべての人がその言葉を歓迎する訳ではないようです。
健常児の母親たちの前で「健康な子供を授かりたい」と言っても特に問題はないと思います。
ダウン症児、または障がい童の母親たちの前で言ったとするとどう受け止められるでしょうか。
「健康な子供を授かりたい」=「健康でない子供は避けたい」=「障がいを持った自分たちの子供を否定されている」と受け止められる可能性があります。
例えば有名人が「健康な子供を授かりたい」い言ったとします。
その言葉を歓迎する人は圧倒的に多いと思います。
しかし、少数派である障がい児を持った親は、複雑な心境で聞いているかもしれません。
今は、少数派の人たちにも配慮が求められる時代です。
少数派にも配慮するとなると、世の中に影響力がある人が「健康な子を授かりたい」とはなかなか言えないでしょう。
少し前の話ですが、東尾理子さんが、不妊治療でようやく授かった赤ちゃんがダウン症の可能性があったとブログで告白したことがありました。
その際、羊水検査を受けないことを決めたと報告しました。
私自身、その考え方は立派なことだと思いました。
しかし、ダウン症児の親でもある松野明美さんは、公表するものではないと不快感を表しました。
この辺のことはニュースで知っている方も多いと思います。
歓迎する方が多い中で不快感を持たれた方も多いようです。
不快感の理由はいろいろあると思いますが、この告白の流れでいくと、もし、健常児が生まれた場合、「おめでとう」と言われるでしょう。
「(障がい児でなくて)おめでとう」という意味に伝わると思います。
そこまで考えると不快に感じるのだろうと思います。
冒頭の話に戻りますが、「健康な子を授かりたい」と思うことは間違いではありませんが、影響力がある方は避けた方がいよい言葉のようです。
また影響力がなくても、言う場には気を付けた方がよいと思います。
もしかしたら、本人は言っていないたけで当事者かもしれません。
その言葉を聞いて顔では笑っていても、心の中では泣いているかもしれません。
ではどう言えば良いのでしょうか。
私なら次のように言います。
「生まれてきた子はどんな子でも大切に育てます」