「痛みを味わったことがなければ人の痛みは分からない」
これは、よく言われていることです。
私も本当にその通りだと思います。
人間は、痛みを感じるという機能が備わっています。(動物もです)
これは、危険を回避するために必要な機能です。
熱い鍋をつかんだ時、熱いという痛みを感じないと鍋を放すという動作ができず、手にダメージを与えてしまいます。
熱いという痛みを感じることでダメージを回避しようとしているのです。
このように痛みを感じる機能は非常に大切なものです。
肉体的な痛みは、もともと私たちに備わった機能ですが、心の痛みは、経験で得られることが多いと思います。
例えばいじめられたときの本当の苦しみは、実際にいじめられて理解出来ます。
いじめられたときの疎外感、絶望感は、そういう状況になってわかります。
では、いじめられたという体験がないといじめの苦しみがわからないのでしょうか。
私たちには、想像力があります。
実際に体験していなくても、想像することが出来ます。
いじめの苦しさを想像で体験するのです。
小説、映画、ドラマで疑似体験でも痛みを理解することが出来ます。
しかし、痛みを理解できない人が意外に多くいます。
精神的に強いせいでしょうか。
このような人は、いじめられているのは心が弱いからだと決めつけます。
私は、多く痛みを知っている人ほど人の痛みを理解できると思います。
障がい者が持つ人特有の悩み苦しみは、やはり障がい者やその家族が一番理解できるのではないでしょうか。
障がい者が身近にいない人は、おそらく悩み苦しみは理解しにくいでしょう。
早希ちゃんは、とても繊細で傷つきやすい性格です。
そのためか他の人が悩んでいるときに一緒に悩んだり、他の人が泣いているときに一緒に泣いたりします。
人の痛みが分かるのでしょう。