先日(2019年7月20日)の参議院選挙で「れいわ新選組」から障がいを持つ2人の方が当選されました。
「れいわ新選組」は、皆さんご存じの元俳優の山本太郎氏が代表となっている政党です。
「新撰組」でなく「新選組」としたのは、「新しい時代に新しく選ばれる政党になるため」とされています。
この「れいわ新選組」から当選したのは、次の二人です。
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)のある舩後靖彦さん
- 脳性まひのある木村英子さん
障がいを持った方が国会議員となるのは、今回が初めてではありません。
小渕内閣の元郵政相の八代英太氏は、車椅子で議員活動をされていました。
八代英太氏は、アナウンサー、タレントもされていたため、知っている人もいると思います。
八代英太氏が議員活動されていた当初の国会は、バリアフリーとは程遠かったようです。
八代英太氏は、次のようなバッシングを受けたようです。
お金をかけるなら福祉は切り詰めなければいけない
おれの税金を何千万も使うのは許せない
でも、その後、国会は、バリアフリー化していたようです。
八代英太氏は、次のように述べています。
いろんなバリアーを指摘する人がいないと、バリアーは解消してかない
私は、当事者でないと分からないことがあると思います。
そいう意味で八代英太氏は、バリアフリーの先駆者だったと思います。
さて今回、参議院議員になられた二人に対して再び、バッシングが起きています。
炎上しているTwitterのコメントを貼り付けます。(ネットで報道もされています)
これは本当に本末転倒じゃないかなぁ。
こういう方々の声を届ける『代弁者』が政治家であって、本人たちが出てきて議事進行に支障をきたすのは、キツイ言い方だけど迷惑行為にしかならない。それを助けるのが「優しさ」でもない。https://t.co/XmJ912zuwV— 岩崎ルイ54世 (@ringringbell7) 2019年7月24日
この方の考え方は、障がい者は、議事進行に支障を来すため、国会議員になるべきではないというものです。
この考え方は、ノーマライゼーションと逆行したものです。
ノーマライゼーションとは、障害を持った人とともたない人が平等に生活できる社会を実現するというものです。
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現在は、障害者差別解消法で障がいを持った人に配慮することが求められています。
「障がいを持った人に対応できないので国会議員になるべきではない」
ではなく、
「障がいを持った人にも対応できるように設備等を整える」
というのが正しい考え方です。
議事進行に支障を来すというのであれば、支障を来さないように環境を準備しなければならないということです。
この他にも課題があります。
衆議院議員になった二人は、障害福祉制度により、重度訪問介護のサービスを受けています。
しかし、このサービスは、通勤や仕事中に受けることができないそうです。
つまり、参議院議員として国会までの移動には、重度訪問介護のサービスが使えないということです。
移動の目的が「社会生活上必要不可欠な外出、社会参加のための外出」となっており、
「通勤、営業活動等の経済活動に係る外出、通年かつ長期にわたる外出及び社会通念上適当でない外出」は、対象外とされているためです。
このままでは8月1日、初日の登院ができません。
しかし、参議院議員として国会参加することは「社会参加」に該当するのではないでしょうか。
解釈の問題ではないかと思います。
29日の参議院の議院運営委員会で話し合いが行われるようです。
恐らく認められるのではないでしょうか。