ノーマライゼーションとは、障害者も健常者と同様に生きられるように福祉などの環境を整備するべきという考え方です。
1950年代のデンマークでは知的障害者の施設で人権侵害が数多くありました。
それに対して当時、行政官だったニルス・エリク・バンク=ミケルセンは
障害者を隔離など排除するのではなく、障害を持った人も健常者と等しく生活できるような社会であるべきである
として提唱したのが始まりと言われています。
日本での福祉は弱者を保護するというよりは、ハンセン病療養所などのように障害者を隔離するようなことが多かったようです。
根底には、優生思想があります。
優生思想については次の記事に詳しく記載しました。
当然、障がい者の人としての尊厳はありません。
例えば、ハンセン病は、らい菌に感染することで発病しますが、感染力は弱く日常生活では感染しません。
ほとんどの感染者は乳幼児期で、しかも栄養状態が悪かった場合です。
しかし、長く差別の対象とされて療養所に隔離されてきました。
この隔離政策はつい最近まで行われていましたが、1996年に「らい予防法」廃止で隔離政策がなくなりました。
ところで日本におけるノーマライゼーションについてですが、支援学校や支援クラスに障害児に健常児から離れたところにおり、障害児と接する機会がほとんどありません。
見方を変えると隔離されていると考えることもできます。
インクルージョン教育のように、障がい児が普通級で健常児と共に教育を受けられるようになるのが理想的だと思います。