9歳 ⑱渓兄ちゃん

ダウン症の妹を持つお兄ちゃんの今と将来について

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妹を思いやる今のお兄ちゃん

小学6年の渓兄ちゃんは、妹思いです。 朝、学校に行くときは一緒に手をつないで登校します。 家では一緒に遊んでいます。 早希ちゃんにとってお兄ちゃんは一番の友達のようです。 最近は、お兄ちゃんの背中に乗っかったり、頭をぺちぺち叩いたりしています。(笑) 優しい渓は、早希ちゃんのことを守ってくれています。 みんなに好かれている早希ちゃんはいじめられることはありませんが、もし、いじめられたとしたら正義感の強い渓が守ってくれることでしょう。  

お兄ちゃんの将来、早希ちゃんの将来

渓に絶対に言わないようにしていることがあります。 それは、「将来も妹の早希ちゃんを守っていくんだよ」という言葉です。 渓には渓の人生があります。 早希ちゃんは、もしかしたら人の手を借りないと生活できないかもしれません。 もし、渓にお願いしてしまうと渓は人生は早希ちゃんが中心となってしまいます。 結婚はできないかもしれません。 そうならないようにするために早希ちゃんには兄の手を借りなくても生きていけるようにしていかなくてはなりません。 「将来も妹の早希ちゃんを守っていくんだよ」と言わなくても優しい渓は、早希ちゃんを守っていくに違いありません。 しかし、背負う必要はないと思います。 まだ早いですが、もし、将来、渓が結婚するということになったとき、妹と同居となればほとんどの方は悩むと思います。 両親との同居も避けられるのですから。 だから成人したら早希ちゃんには、自立できるようにしてあげたいと考えています。 ちなみに早希という名前は、早く自立(希望)できるようにという意味が込められています。

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