①日々所思(思うところ)

出生前診断における10の葛藤(ドラマ「コウノドリ」から)

2017年12月15日に放送された「コウノドリ10話 出生前診断 家族を作るということ」を観ました。

このドラマには、出生前診断に関するいくつもの重要なテーマがストーリーの中に含まれています。

重要なテーマは、それぞれ答えがないものばかりです。

それらは葛藤であると思います。

このドラマの中で私が感じ取った出生前診断に関する10の葛藤について述べたいと思います。

一部、ストーリーにも触れているためご留意下さい。

目次

1.新型出生前診断の結果しか伝えない医療機関

新型出生前診断を行う医療機関はありますが、検査結果は郵送されてペーパーでのみ報告されます。

この結果についてのカウンセリングはありません。

自分で病院を探し、医師からアドバイスを受ける必要があります。

このような結果しか伝えない新型出生前診断を行う医療機関を批判する意見がドラマの中で語られせていました。

その意見には賛成であり、もし新型出生前診断をするのであれば、カウンセリングはセットだと思います。

ほとんどの方は、陰性であることを確かめるために診断を受けているはずです。

陽性だったときのことは考えていないでしょう。

だれも陽性だったときの心構えは出来ていないのです。

2.出生前診断の是非(陽性でほとんど親は中絶を選択)

生まれてくる赤ちゃんに疾患があるかを知りたいのは悪いことなのか。

疾患があると分かると中絶する親がほとんどであるから出生前診断はするべきではない。

この二つの考え方のどちらが正しいのか、両方の気持ちが分かるため非常に難しい問題であると思います。

ドラマでは、陽性だったことを知った後にどうするか決めずに安易に出生前診断を行うのは無責任だと語られていました。

3.疾患があることが分かった時の葛藤

生まれてくる子供に疾患があると分かると両親だけでなく、両親の父母まで巻き込み、子供を出産するかどうか揺れ動くことになります。

以前、NHKの番組で見たことがありますが、出生前診断でダウン症であるが分かった家族では、両親の父母は反対していました。

そういう中で妊娠している母親は孤立していく様子が映しだされていました。

このドラマでも、妊娠している母親も揺れ動きながらも、周りの意見に従っていく様が描かれていました。

4.出生前診断でなぜ一部の疾患だけ弾かれるのか?

出生前診断で分かる染色体の疾患は、13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーだけのようです。

それ以外の染色体の疾患は分かりません。

つまり、出生前診断は、13、18、21トリソミーだけを弾くための検査とも考えられます。

ドラマの中では、このまま出生前診断が当たり前になってしまうとダウン症のある子がいなくなるのでは言われていました。

5.中絶を選択する側にも理由がある

出生前診断の結果、中絶を選ぶ側にも理由があります。

自分たちがいなくなったあと、長男、長女に責任を負わせたくない。

仕事を止めなければいけないなど障がいがある子供を育てる余裕がない。

決して安易に中絶を選んでいる訳ではいりません。

ドラマでも苦渋の決断として中絶を選択していました。

でも本当は、受け入れられる環境があれば生みたかったのではないでしょうか。

6.中絶の是非

若気の至りで妊娠してしまうこともあります。

性暴力によって望んでいない妊娠もあるでしょう。

日本の法律では、中絶できる場合として以下のように定めています。

妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの

本来は、疾患があるからといって中絶してはいけないのですが、中絶が許されているのが実態です。

7.障がい児は育てるのが大変?

障がい児は育てるのは大変であるという意見です。

実際に大変かどうかは育ててみなければ分かりません。

一方、ダウン症者の9割以上は、幸福であるという調査もあります。

ドラマでは、ソーシャルワーカーを通じてダウン症児をもつ家族の紹介しようとする場面がありました。

ダウン症児をもつ家族に会ってみるのは良いことだと思います。

少しでも不安の払拭に役立つと思います。

 

8.医療技術の進歩に関する苦悩

昔だったら救えなかった胎児の命が医療技術の進歩により、救えるようになりました。

しかし、命を救えるようになったから苦悩する家族もいることをドラマで語られていました。

命を救うってどういうことなのか、とても難しい問題であると苦悩する医師が描かれていました。

9.それぞれの事情の上に生まれてくる

「コウノドリ」医師が次のようなことを語っていました。

とても重い言葉です。

出生前診断の命の選別だけが注目されて、その他の事が置き去りになっている。

子供は、それぞれの事情の上に命が生まれてくる。

育てていくのは家族。

診断で中絶を選択する家族もいる。

悩みに悩んでその選択をする。

その人たちは助けを求めている。

私はその手を払い除けることはできない。

その葛藤に寄り添わないでどうする?

検査を受けた人、受けなかった人。

赤ちゃんを産んだ人、産まなかった人

どの選択も間違っていない。

そう思いたい。

 

10.揺れ動く気持ち 生みたい、でも怖い

中絶を選択した母親が、中絶するための部屋の前で入るのをためらい、倒れ込みます。

次のように語りました。

この子、私の赤ちゃん、

産みたい、だけども怖い、

自信がない、

でも・・・

悩まない母親はいないと思います。

中絶を選択していても、心の中では産みたいと思う気持ちと、怖いという気持ちの間を揺れ動きます。

最後は、生むことを選択します。

これだけ悩ませる出生前診断は、運用方法を考える必要があるように思います。

 

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