ダウン症児・者が登場する映画・ドラマの紹介です。
内容は様々です。
ドキュメンタリーだったり、ダウン症児の短い生涯を描いたもの、障害者福祉に貢献した人の実話、出生前診断の問題に取り組んだもの、ダウン症者との友情の物語、家族の物語、差別をテーマにしたものなどです。
目次
邦画
able/エイブル(2001年 日本)
「able/エイブル」は、ダウン症のある19才の渡辺元と自閉症のある17才の高橋淳を、アリゾナに住むキャサリンとマーク夫妻がホスト・ファミリーとして受け入れ、数カ月間、一緒に暮らすというヒューマン・ドキュメンタリー映画です。
彼らは知的障がい者のスポーツを振興するスペシャルオリンピックスのアスリートで、周囲の人々と信頼関係を築いていく姿を描く映画となっています。
映画は「ableの会」代表であり、細川元首相の夫人である細川佳代子氏が製作総指揮しています。
この作品は、毎日映画コンクール記録文化映画賞を受賞しています。
たったひとつのたからもの(2004年 日本)
松田聖子、船越栄一郎主演のテレビドラマです。
生まれたわが子「秋雪」がダウン症と診断され、余命1年と宣告されるところから始まります。
子供がダウン症と診断された夫婦の6年2ヶ月の日々を描いた映画です。
このテレビドラマは、6年2ヶ月の秋雪の生涯を綴った手記「たったひとつのたからもの」をもとにしています。
明治安田生命のCMにもなりました。
心を打たれるCMですので是非、見てください。
CMの曲は小田和正の「言葉にできない」です。
泣けます。
筆子・その愛-天使のピアノ-(2006年 日本)
明治時代に日本で初めて知的障がい児施設「滝乃川学園」を設立した石井筆子の生涯を描いた映画です。
石井筆子さんは、障害児教育・福祉の先駆者と呼ばれています。
天使のピアノとは、滝乃川学園の倉庫に眠る、天使のエンブレムが設えられたピアノのことです。
筆子さんには、ダウン症を持った長女がいます。
最初の夫は、結核で亡くなっています。
筆子さんは、聖三一孤女学院へたどり着き、学院の校長である石井亮一は娘を教え子に迎え入れます。
その後、筆子さんは、亮一さんとともに聖三一孤女学院を知的障害児施設「滝乃川学園」へと改組すます。
筆子さんは、朝ドラ「あさが来た」で知られる津田梅子さんとも関係し、ともに女性の地位向上を目指していました。
この映画では石井筆子さんを常盤貴子さんが演じています。
ダウン症ドラマーの物語(2011年 日本)
映画「タケオ ダウン症ドラマーの物語」は、ダウン症のある新倉壮朗さん(通称タケオさん)のドキュメンタリー映画です。
8歳のころには、ピアノは独特な世界観で即興で弾いていました。
11歳のころ、西アフリカ・セネガルの伝統的な太鼓「サバール」に出会います。
2008年に念願がかないセネガルに行き、このときのドキュメンタリーが映画「タケオ ダウン症ドラマーの物語」です。
39窃盗団(2011年 日本)
ダウン症の兄キヨタカと発達障害の弟ヒロシによるコメディです。
二人は、刑法39条があるから刑務所に入らなくていいとそそのかされてドロボーの旅にでます。
刑法39条とは、「心神喪失者の行為は、罰しない、 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する」というものです。
とてもユーモラスな映画です。
生まれる。(ドラマ 2011年 日本)
「生まれる。」は、TBSのドラマであり、2011年4月22日から6月24日まで放送されました。
主演は堀北真希さんです。
51歳になる母親(田中美佐子)が高年齢妊娠をします。
妊娠をきっかけとした母親と四姉弟が様々な葛藤を描き、生まれる「命」と「人との絆」について問いかけます。
コウノドリ 第2シリーズ 11・12話(2018年 日本)
ジャズピアニストでもある医師、鴻鳥サクラを主人公とする産科医療に関するドラマです。
原作は、同名のマンガ「コウノドリ」です。
第2シリーズの11・12話では、出生前診断をテーマとしたものでした。
出生前診断をめぐり、揺れ動く家族と医師を描いています。
とても反響が大きかった回でした。
種をまく人(2017年 日本)
「種をまく人」は、画家であるヴィンセント・ヴァン・ゴッホの人生を元にして作られた長編自主映画です。
監督は竹内洋介さん、主演は岸建太朗さんです。
映画のタイトルを書いたのは、ダウン症天才書家、金澤翔子さんです。
3年ぶりに精神病院から戻った高梨光雄は、弟である裕太の家を訪れます。
そこには、姪の知恵、知恵の妹のダウン症を持つ一希がいました。
光雄は、知恵にせがまれて被災地で見たひまわりについて語り出します。
次の日、光雄は知恵にせがまれて遊園地に行きますが、そこで突然、不幸が訪れます。
この映画は家族の崩壊と再生の人間ドラマです。
第57回テッサロニキ国際映画祭で最優秀監督賞、最優秀主演女優賞(竹中涼乃)など受賞しています。
洋画
八日目 Le Hutieme Jour(1996年 ベルギー・フランス合作)
アリーは大銀行の重役ですが、私生活では妻と娘に家出されてしまいます。
イライラしていたアリーは、車で犬を撥ねてしまい、その飼い主でダウン症を持つ青年、ジョルジュを同乗させることになります。
ジョルジュは、施設から抜け出して母に会いに行く途中でした。
母親のところに向かうアリーとジョルジュ。
たどり着くと・・・
この映画はアリーとジョルジュの友情と旅の物語です。
コーキーとともに Life Goes On(ドラマ 1989年~1993年 アメリカ)
ダウン症を持つコーキーとその家族を描いたヒューマンドラマです。
ほのぼのとした温かい家庭・学園のドラマです。
日本ではNHKでシーズン1のみ放送されました。
シーズン4まであります。
Life Goes On: Complete First Season [DVD] [Import]
モニカとデヴィッド 〜あるダウン症カップルの結婚〜 MONICA & DAVID(2009年 アメリカ)
互いにダウン症を持つモニカとデヴィッド。
二人は、マイアミで暮らす新婚夫婦です。
ダウン症を持つもの同士の結婚は、アメリカでも稀なケースです。
この映画は、モニカとデヴィッドの生活に関するドキュメンタリーです。
トライベッカ映像祭(ニューヨーク) 最優秀ドキュメンタリー作品賞を受賞しています。
カフェ・ド・フロール Cafe de Flore(2011年 カナダ・フランス合作)
1969年のパリと現代のモントリオールの二つの世界の男女、母子の愛情を描く映画です。
1969年のパリ。
ジャクリーヌは、美容師をしています。
ダウン症を持つ息子をシングルマザーとして育ている母のジャクリーヌ。
一方、現在のモントリオールでは、DJをしているアントワーヌは、2人の娘と恋人のローズと両親とともに暮らしていました。
チョコレートドーナツ Any Day Now(2012年 アメリカ)
映画「チョコレート・ドーナツ」は、2012年公開されたアメリカ映画です。
今でこそ、アメリカではかなりLGBTに理解がありますが、映画が描かれた1970年代は偏見と差別に満ちた時代でした。
この映画は、1970年代、ニューヨークのブルックリンでゲイのカップルが、育児放棄されたダウン症の子供を育てた実話が基になっているようです。
この映画「チョコレート・ドーナツ」は、2012年公開して直ぐに大ヒットし、日本ではロングランを記録した傑作です。
しあわせの灯る場所 Where Hope Grows(2014年 アメリカ)
カルヴィンは、元メジャーリーガーです。
17歳の娘ケイティを男手一つで育てています。
カルヴィンは、球団をクビになってからアルコール依存症になってしまいます。
ある日、カルヴィンは、スーパーマーケットで働くダウン症の少年プロデュースと出会います。
少年は、「楽しい心はいい薬」と言います。
少年との交流でカルヴィンは、次第に希望を取り戻していきます。
Born This Way(2017年 アメリカ)
『Born This Way』は大人のダウン症者の問題・課題に焦点を当てた内容です。
そこには友情や恋愛、仕事など、人生の夢をかなえるために頑張る姿が映し出されています。
2016年、このTV番組『Born This Way』は、複雑な問題に取り組み、社会への変革をもたらしたTV作品に贈られる米テレビアカデミー賞とエミー賞を受賞ています。
この番組には、アッシュモア英玲奈さんも出演しています。
『Born This Way』は、レディー・ガガの曲名です。
『こうなる運命のもとに生まれてきたの』という意味で『意味あるべくして生まれてきたのだからまっすぐ上を向いて胸を張って生きよう』というメッセージが込められているそうです。
アッシュモア英玲奈さんは、川崎市で生まれで、現在、アメリカで女優として活躍しています。
いろとりどりの親子 Far from the Tree(2018年 アメリカ)
アンドリュー・ソロモン著のノンフィクション本「Far From The Tree:Parents,Children and the Search for Identity(※)」があります。
※「障害や問題児を持つ親、そしてアイデンティティーを探して」
この本は、ダウン症、自閉症、低身長症、LGBTなど「違い」を持った子供と親たちの姿を描いたものです。
10年の歳月をかけて300もの家族を取材し、周りとは異なるところがある子どもと親に対するインタビューをまとめたものです。
世界で24か国に翻訳されました。
2012年には、2012年には、全米批評家協会賞、ニューヨークタイムズのベストブックに選ばれています。
本の紹介映像です。
そしてこの本を映画化したのが「いろとりどりの親子」です。
監督は、エミー賞受賞経験があるレイチェル・ドレッツィンです。
レイチェル監督は、社会派ドキュメンタリー作品を数多く制作されています。
この映画には、自閉症、ダウン症、低身長症、LGBTを抱える6組の親子が登場します。
親子が直面する困難、喜び、愛情が描かれています。