「天国の特別な子供」をご存知でしょうか。
ダウン症児がいるご両親は、どこかで目にしたことがあると思います。
まだの方は、詩「天国の特別な子供」を読んでみてください。
天国の特別な子供
会議が開かれました。
地球からはるか遠くで
“また次の赤ちゃんの時間ですよ”
天においでになる神様に向かって 天使たちは言いました。
“この子は特別な赤ちゃんで たくさんの愛情が必要でしょう。
この子の成長は とてもゆっくりに見えるかもしれません。
もしかして 一人前になれないかもしれません。
だから この子は下界で出会う人々に
とくに気をつけてもらわなければならないのです。
もしかして この子の思うことは
なかなか分かってもらえないかもしれません。
何をやっても うまくいかないかもしれません。
ですから私たちは この子がどこに生まれるか
注意深く選ばなければならないのです。
この子の生涯が しあわせなものとなるように
どうぞ神様 この子のためにすばらしい両親をさがしてあげてください。
神様のために特別な任務をひきうけてくれるような両親を。
その二人は すぐには気がつかないかもしれません。
彼ら二人が自分たちに求められている特別な役割を。
けれども 天から授けられたこの子によって
ますます強い信仰と豊かな愛をいだくようになることでしょう。
やがて二人は 自分たちに与えられた特別の
神の思召しをさとるようになるでしょう。
神からおくられたこの子によって。
柔和でおだやかなこの子という授かりものこそ
天から授かった特別な子供なのです”
大江 祐子 訳
引用 Heaven's Very Special Child & the Family
この詩は、Edna Massimilla(エドナ マシミラ)さんによって書かれました。
ダウン症候群の娘さんのためにアメリカ人牧師夫人が書かれた詩です。
次の本にこの詩が載ってます。
「Heaven's Very Special Child & the Family(天国のとても特別な子供とその家族)」(Amazonより)
Heaven's Very Special Child & the Family
大江祐子さんの訳は、「先天異常の医学」木田盈四郎著中公新書に掲載されています。
先天異常の医学―遺伝病・胎児異常の理解のために (中公新書 (643))
この詩、日本に紹介したのは、日本語訳をされた大江祐子さんです。
アメリカで発行された「ダウン症児を持つ両親たちの手記」の最後のページに書かれていたそうです。
大江祐子さんが見つけたのは、今から50年ほど前の事です。
大江祐子さんの恩師である丹羽淑子先生がアメリカから持ち帰ったものを、偶然、大江祐子さんが見つけたそうです。
- 丹羽淑子先生は、東洋英和女学院短期大学、埼玉純真女子短期大学の教授や花クリニック児童精神科ダウン症母子発達相談カウンセラーなどをされた方です。
- 丹羽淑子のお孫さんは、ダウン症を持っていました。
大江祐子さんは、Edna Massimillaさんの文章に込められたメッセージが胸に熱く響いたそうです。
恩師の丹羽淑子先生は、大江祐子さんに翻訳を勧めてくれたそうです。
翻訳は、何度も吟味しながら何度も書き直したそうです。
そしてこの詩が初めて掲載されたのは、親の会会報「こやぎ」でした。
その後、様々な書籍に掲載され広まっていきました。
実は、当初、原作者のEdna Massimillaさんの詳細は不明だったそうですが、後日、連絡が取れたそうです。
Edna Massimillaさんは、牧師夫人で詩や歌の作られているそうです。
Edna Massimillaさんの43歳で亡くなった娘もダウン症を持っていました。
現在、Edna Massimillaさんは、103歳です。(2019年4月28日時点)
Facebookに誕生日を祝う動画がアップされています。