かなり前ですが、2005年5月11日にNHKで「課外授業ようこそ先輩」が放送されました。
当時、私も観ていましたが、なるほどと思わせる内容でした。
今から考えるといろんな立場になって考える想像力が人を思う気持ちにつながり、それば障がい者を思う気持ちも含まれるということなのではないかと感じました。
宮本亜門さんが課外授業の先生です。
課外授業を行ったのは東京都港区立白金小学校です。
宮本亜門さんが選んだテーマは「人をおもう 命をおもう」でした。
生徒に出したお題は、童話「赤ずきんちゃん」です。
「赤ずきんちゃん」は、皆さんご存知だと思いますが、次のようなストーリーです。
- 赤ずきんちゃんは、お使いを頼まれて森の中にあるおばあさんの家に向かいますが、狼に騙されて道草をしてしまいます。
- 狼は、先回りしておばあさんを食べてしまい、狼は、おばあさんに成りすまします。
- 待ち構えていた狼は、おばあさんの家にやってきた赤ずきんちゃんも食べてしまいます。
- たまたま通りかかった猟師が異変に気づき、狼の腹から二人を助け出します。
この童話は、狼は完全に悪者ですが、宮本亜門さんは、この童話に登場する、赤ずきんちゃん、おばあさん、狼、猟師のそれぞれの立場で考えなさいというものでした。
例えば、狼の立場で考えてみます。
狼は、何日も食料にありつけていない状態だったかもしれません。
狼も食料を食べなければ生きていけません。
それがたまたま赤ずきんちゃん、おばあさんだったのです。
このようにいろんな立場に立ち、想像力をたくましくして考えてみることは、とても大切なことです。
童話は、完全に赤ずきんちゃん、おばあちゃんが可哀そうで狼は悪者になっています。
私たちは、そういう固定観念が根付いています。
でも本当は違うかもしれません。
いろんな立場に立って考えてみることで見方が大きく変わることもあります。
それは、障がいを持った人に対する見方も同じではないかと思います。
「想像力が人を思う気持ちに繋がる」は、まさに見方を変えるということです。
想像力の欠如
それが偏見や差別を生んでいるのかもしれません。