子供の成長の目標は何だろう?といつも考えています。
健常児であれば、中学受験、高校受験、大学受験、入社試験でより優位なところに行くことが目標となります。
必ずしもこのラインに乗ることがすべてではなく、スポーツの分野であれば、いろんな大会で優勝を目指したり、オリンピックを目指すというのも目標となるでしょう。
そんな大きなことを目標にしなくても、将来、結婚して家庭を持つということも目標です。
今の時代、すべての人が結婚を目指すという時代ではなくなっているので別な目標もあると思います。
もしかしたら海外に移住したいという目標もあるかもしれません。
この目標を目指す目的は、幸せな人生を送るためである訳です。
「幸せな人生を送る」という目的の手段になっていない目標は、悲劇です。
偏差値が高い学校に入れば、きっと幸せな人生を送れるという先入観です。
親はそう思っていても、子供は、必ずしもそれが「きっと幸せな人生を送る」ための目標ではないかもしれません。
その子供のことをよく見てどんなことがその子にとって幸せと感じるのかを親は考える必要があります。
親が考える「幸せな人生」と子供が考える「幸せな人生」は異なるかもしれません。
無理やり親が考える「幸せな人生」を子供に押し付けると子供は反発し、親の考えとは逆の方向に進もうとするでしょう。
そうなるとお互い不幸です。
さてここまで健常児の話でしたが、ダウン症児の場合はどうなのでしょうか。
少しでも健常児に近づけたい、人と会話ができようになることが第一ステップで将来的には、一般企業で働かせて自立させたいというもの一つの目標です。
しかし、全てのダウン症児が一般企業で働ける訳ではありません。
障がいの程度も個人差があり、いくら教育が発達しても伸びしろには限界もあります。
私たちの場合、ダウン症のある早希ちゃんが「いつも笑顔で過ごせること」、これを目標としています。
これだけでもいいのです。
目的は、「幸せな人生を送る」ことです。
一生、笑顔で過ごせるということは、一番の幸せな人生ではないでしょうか。
健常児の場合も最終的な目的は、「幸せな人生を送ること」です。
手段が違うだけで目的は同じです。
「幸せな人生を送ること」ができるのであれば、障がい児は不幸とは言えないのではないでしょうか。
むしろ健常児の方が茨(いばら)の道にあふれています。
障がい児のほどんどの人は、幸せな人生を送っているのだろうと思います。