今回は、ダウン症には関係ありませんがとても気になった映画があったので紹介します。
映画「ジョーカー」です。
この映画の主人公「ジョーカー」は、バットマンに出てくる悪役です。
バットマンを観たことがある人であればわかると思います。
かつては、映画でジャック・ニコルソンが演じたこともあります。
ピエロの恰好をして特徴的な笑い方をします。
今回の映画「ジョーカー」は、母親思いの少し変わった青年アーサーがどのようにしてジョーカーに変わっていったのかが描かれています。
アーサーは、貧しく認知症の母親とともに二人で生活しています。
アーサー自身も精神的な障がいを持っており、カウンセリングを受けています。
アーサーの夢は、コメディアンになることです。
母から「どんな時でも笑顔で人々を楽しませなさい」と言われて。
アーサーの今の仕事は、ピエロの姿になってお店の宣伝をすること。
街で踊りながら宣伝をするアーサーは、不良少年たちにからかわれて看板を取られてしまいます。
看板を取り返そうと追いかけますが、逆に少年たちから暴行を受けてしまいます。
この後のストーリーもアーサーはさまざまな酷い仕打ちをうけます。
観ていてとてもアーサーがかわいそうになりました。
人間不信になっても仕方ありません。
次第にアーサーの心が歪んでいきます。
フィリップス監督は「この映画の大きなテーマのひとつは、思いやりの欠如だ」と語っています。
もしアーサーに対してもっと思いやりがあったら、サイコパスのジョーカーにはならなかったのだろうと。
誰でも酷い仕打ちがあれば、心が歪みます。
この映画を観て思い出したのが、京アニ放火事件の犯人です。
犯人のしたことは許されることではありません。
しかし、放火事件で自身も重症を負い、病院に入院中、医療スタッフに対して「人からこんなに優しくしてもらったことは、今までなかった」と語ったそうです。
もし、この犯人に少しでも思いやりがあったらこんなことにはならなかっただろうと思いました。
犯人がどんな過去があったかは知りません。
しかし、このような事件を起こすに至った過去からの積み重ねがあったに違いありません。
もしかしたらこのような犯人は、思いやりのない周りの人たちが作り出しているのかもしれません。
とても不幸なことです。
この映画の主人公にとても共感する人が多いようです。
自分が受けたいじめ、不遇な境遇など。
この映画の主人公アーサーは、その反動が反社会に向きました。
もし、そこにも共感を得る人が多いとしたらとてもいけないとこです。
米国のロス市警と米軍は、この映画上映で警戒態勢を取ったそうです。
それほど社会現象を起こした作品です。
なおこの映画は、アカデミー賞の作品賞など最多の11部門ノミネートされています。
発表は、2020年2月9日(日本時間、2月10日)です。
おそらく作品賞と主演男優賞を受賞すると予想しています。
この映画の主人公アーサーは、自分のことを「誰からも見えない人間」と語っています。
かつて酒鬼薔薇聖斗と名乗った犯人は、自分のことを「透明な人間」と語っています。
少しでも思いやりをもって「誰からも見えない人間」を少なくしたいです。
私のもう一つのブログにも記事を載せましたので興味のある人は見てください。
映画「ジョーカー(Joker)」のラストシーンの意味(ネタバレがあるので注意)