ダウン症者は、健常者と比べて極めて癌になりにくいと言われています。
健常者に比べて癌になる確率は10分の1と言っている専門家もいます。
どうして癌になる確率が健常者よりも低いのでしょうか?
癌が増殖、転移するためには、栄養を得る必要があります。
癌は、パイプラインとなる血管を作り出し、そのパイプラインを使って血管から栄養を得ています。
血管を作り出すための遺伝子は「DSCR1」と呼ばれているものです。
この遺伝子「DSCR1」は、十分な血管が作られると逆に血管作りを抑制するそうです。
この血管の作成・抑制する遺伝子「DSCR1」は、21番染色体にあります。
そうです。ダウン症の原因である21番染色体です。
ダウン症の場合、21番染色体が3本あることから、遺伝子「DSCR1」が一つ余分にあります。
そのため、ダウン症者の場合、血管の作成が抑制されて、癌が栄養を取り入れるためのパイプライン血管が作りにくく、癌の増殖・転移がしにくい状況になります。
そのため、ダウン症者は、癌になりにくいのです。
この研究結果は、将来、新たな癌の治療法に役立つかも知れません。