ダウン症の原因についての最新の研究発表がありました。
2018年5月10日、理化学研究所などの国際共同研究チームが米科学誌「カレントバイオロジー」に論文を掲載しました。
ダウン症の原因の多くは、卵母細胞の第一分裂期に発生することが知られています。
- ①体細胞分裂
- ②卵母細胞の第一分裂 → ダウン症の原因が発生
- ③卵母細胞の第二分裂
- ④受精
卵子のもとになる「卵母細胞」は2段階の分裂を経て「卵子」となります。(減数分裂)
「卵母細胞」の分裂は、もとになる「卵母細胞」の染色体の数を半分にします。(染色体配分)
老化した「卵母細胞」の場合、2段階の分裂のうちの1段階目の分裂②において染色体を半分に分割(※)する際、その分け方に誤りが起きやすくなります。
分け方に誤りが起こることで21番染色体が1本余分に入り込んでしまいダウン症となります。
では、なぜ老化した「卵母細胞」の場合に染色体の分割に誤りが生じるのか。
以前、私が得た情報では、染色体を結びつけるコヒーシンというタンパク質が減少するためであるというものでした。
関連記事 ダウン症の原因(最近の研究成果「タンパク質コヒーシン減少が主原因」)
染色体を結びつける力が弱いため、染色体の分裂時、早く分裂してしまい誤まりが生じてしまうというものです。
染色体を結びつけるコヒーシンが減少し、早く染色体の分裂が起きないようにコヒーシンを守っているのが、シュゴシン(守護神)というタンパク質ということのようです。
しかし、このシュゴシン(守護神)が守っているのはある時期までです。
それ以降、染色体を結びつけているのは、酵素「PIAS1」とタンパク質「SUMO」ということが、今回の研究でわかったそうです。
(私は、このように理解しましたが誤っている場合は、指摘願います)
今後は、加齢によって酵素「PIAS1」とタンパク質「SUMO」がどのように変化するのかも調べるそうです。
少しずつですが、原因が解明されてきているようです。