目次
1.風疹の流行
2018年10月16日、風疹の患者が1103人になったそうです。
昨年は、1年間で93人だったため16倍の患者数です。
東京都が45人と最多でその他の地域は次の通りです。
- 神奈川 21人
- 千葉 20人
- 埼玉 7人
- 群馬 6人
- 愛知 5人
- 兵庫 5人
男女別にみると次の通りです。
- 男性 916人
- 女性 187人
風疹は、風疹ウイルスが原因で発症します。
主な症状は、発疹、発熱、リンパ節が腫れます。
一度、感染するとほとんどの人は二度と感染することはありません。
2.先天性風疹症候群
風疹自体は、ありふれた病気ですが、妊婦が感染すると生まれてくる赤ちゃんに障がいが出る可能性があります。
妊娠20週までに風疹に感染すると、胎児ねも感染し、難聴、心疾患、白内障などの障がいが発生します。
これらの障がいは、先天性風疹症候群と呼ばれます。
3.先天性風疹症候群で子どもを亡くした母親
先日、先天性風疹症候群の子どもを亡くした母親のニュースがネット上に流れていました。
不妊治療の末、ようやく授かった命。
でも母親は風疹に感染していました。
夫婦は生む決断をします。
心臓病があり、目が見えず、耳が聞こえない状況だったそうです。
それでもメガネで矯正し、補聴器を付けることでコミュニケーションはとれるようになったそうです。
小学校6年のときに病状が悪くなり、車椅子と酸素吸入が必要となりました。
18歳の頃、発作で入院し、数日後に亡くなったそうです。
病室のベットにあったメモには、「お父さんとお母さんと私はがんばりました」と書かれていたそうです。
4.ワクチン接種をしていない世代
風疹が流行する原因は、ワクチン接種をしていない世代が多いからであると言われています。
先天性風疹症候群を無くすためには、全員、ワクチン接種をすればなくなると言われています。
それなのになぜ、ワクチン接種をしていない世代があるのでしょうか。
それは、ワクチン接種のあとに死亡したり、後遺症が残ったりするケースにより、1980年以降、90年代にかけて起こした裁判で国が敗訴したためです。
それまでは、ワクチン接種は義務でしたが、個人の判断で受けても受けなくても良いことになったのです。
このため、ワクチン接種率は大きく低下しました。
(昭和54年4月2日から平成7年4月1日までに生まれた方は、ワクチン接種率が低いそうです)
果たしてワクチン接種を個人の判断に任せてよいものなのかどうか悩むところです。
恐らく死亡したり、後遺症が残ったりするケースはかなり稀なのではないでしょうか。
どちらも命に係わることです。
どちらを優先するべきか。
影響の大きさから考えるとおのずと答えは出てきます。