ダウン症者の認知能力の治療が可能になるかもしれません。
2019年6月11日、韓国の蔚山科学技術大学(UNIST)生命科学部の研究チームの研究成果について報道がありました。
神経幹細胞(※)から神経細胞が作り出される過程でDSCR1が中心的な役割を持っていることが分かったそうです。
※神経細胞を複製することができる細胞
DSCR1は、血管を作り出すための遺伝子として知られています。
以前、このブログでも紹介しました。
ダウン症の場合、DSCR1が一つ余分にあります。
DSCR1が一つ余分にあることによるメリットは、癌になりにくいことです。
ダウン症モデルマウスを使い、DSCR1を正常数にしたところ、脳神経細胞および学習・記憶障害が正常になったということです。
論文 Down syndrome critical region protein 1 (DSCR1)
ただこの結果が、将来、成長したダウン症者にも効果があるのかどうかまではわかりません。
私は専門家ではないので詳しいことは分かりませんが、恐らく初期の胎児の間にしか効果がないのではないかと思います。
もし、効果があるとしても、DSCR1を正常数にするということは、癌になる確率を増やすのではないでしょうか。
他にもダウン症者の認知能力の治療に関する研究はいろいろされています。
以前、紹介した次の記事もそうです。
最近では、2017年に話題になった化合物「アルジャーノン」もあります。
「アルジャーノン」も神経細胞を増やす効果があると言われています。
将来的には、ダウン症者の知的障害の治療ができるようになるかもしれません。