重複障害とは、言葉の通り2つ以上の種類の障害を併せ持っていることです。
この重複障害の明確な統一された定義はなく、文部科学省、厚生労働省など省庁によってその言葉の使われ方が異なるようです。
文部科学省における重複障害
文部科学省では、重度の知的障害と身体障害を併せ持つ持っている場合に重複障害と言っているようです。
学校教育の場において重複障害と言う場合は、上記の定義が用いられます。
具体的には、「学校教育法施行令第 22 条の3」で規定している障害を併せ持つ場合となります。
学校教育法施行令第 22 条の 3 に規定する障害の程度と判定方法
学校教育法では、次の5つの種類の障害を2つ以上、併せ持つ場合、重複障害となります。
- 視覚障害者
- 聴覚障害者
- 知的障害者
- 肢体不自由者
- 病 弱 者
特別支援学校の重複障害学級は、1学級の生徒数を3人を標準としています。
これはよりきめが細かい指導が行えるように人数を制限しています。
厚生労働省における重複障害
厚生労働省はどうでしょうか。
文部科学省の定義とは若干異なりますが、厚生行政では、以下の障害のうち2つ以上、併せ持つ場合、重複障害となります。
- 視覚
- 聴覚または平衡機能
- 音声・言語または咀嚼機能
- 肢体不自由
- 内部障害
- 知的障害
- 精神障害
なぜ学校教育法と厚生行政で重複障害の定義が異なるのか
厚生労働省は、厚生的側面から、文部科学省は、教育的な側面からバラバラに定義されたためです。
縦割り行政の弊害とも言われています。