新型出生前診断は、99.9%の確率でダウン症であるかどうかわかると言われています。
新型出生前診断において陽性と診断された場合、9割の母親が中絶を選択するそうです。
新型出生前診断しなければ、ダウン症かどうかわからないかというとそういう訳でもありません。
妊婦は、必ずエコー検査を実施すると思います。
実は、このエコー検査でダウン症の可能性について分かってしまうのです。
ダウン症胎児の場合、後頚部(首のうしろのうなじの部分)が腫れるそうです。
その腫れがエコー検査で分かるのです。
しかも妊娠初期に分かります。
超音波の見え方で分かります。
NT、エヌティ、nuchal translucency、胎児項部透過像などと呼ばれます。
NTとは、頸椎が浮腫んでいることを言います。
このNTを指摘されたからといって何か病的なものがあるという訳ではありません。
ただし、NT(頸椎の浮腫み)が厚い場合、染色体の異常と特にダウン症が疑われます。
染色体異常の可能性が高いという研究報告があるのです。
1987 年のある論文では、頸椎の浮腫みが 6 mm 以上あり大腿骨(※)長短縮があった場合、高い確率でダウン症であったそうです。
※足の付け根からひざまでの太ももの骨
このように新型出生前診断でなくてもエコー検査でもダウン症の可能性が分かってしまうのです。
(エコー検査でダウン症の疑いがあると医師が分かっても積極的に母親には言わないこともあるそうです)
もし、医師からダウン症の疑いについて言われたらどうするのか。
さらに精度の高い羊水検査で確定診断をするのか。
新型出生前診断と同じで命の選別の問題が起きるのです。