ゲノム編集(genome editing)とは、遺伝子を書き換える技術です。
もし、生まれてくる前に遺伝子を書き換えることで難病を防げるとしたらどうでしょうか。
異変を起こしている遺伝子を正常な遺伝子に書き換えるのです。
この技術は、近い将来、さまざまな遺伝子疾患を予防出来る可能性を持っています。
アメリカの全米科学アカデミー(NAS)は、2017年2月にゲノム編集で遺伝子を改変することを容認すると発表しました。
もし、難病を防げるとしたら素晴らしい技術ですが、課題もありそうです。
この技術は、難病を防ぐだけでなく、さまざまなことが可能となってしまいます。
例えば、オリンピックで金メダルを取れる身体能力を持った人に遺伝子レベルで作り変えることも可能かもしれません。
髪の色、目の色も変えることが出来るかもしれません。
このように生まれてくる前に人をデザインできてしまうというのです。
しかし、現在のゲノム編集の目的は、治療できない遺伝子難病の予防にあるようです。
ある記事によれば、ダウン症の原因となっている3本の染色体のうち、ゲノム編集により、1本を不活性化することができるそうです。
これにより、3本の染色体があったとしてもダウン症の合併症が出てこないということらしいです。
治療の幅が広がることは好ましいことですが、どこまで許されるのかは議論の余地があると思います。