ダウン症に関する最新の研究成果について、今まで記載してきた記事をまとめました。
ダウン症の原因に関する研究、症状を改善する研究などです。
まだ実用化される段階ではありませんが、将来、合併症などの改善に大きく貢献する可能性があります。
ダウン症に関する研究は、ダウン症児を持つ親にとって命の選別につながりかねないため、危機感を持って見ている方が多いと思います。
一方で同じダウン症児を持つ親の中には、この研究に期待している方が多いもの事実です。
①ダウン症の原因
染色体が通常、2本のところ3本になるメカニズムは最近までよく分かりませんでしたが、最新の研究により、ある種のタンパク質が減少することで発生することが分かってきました。
このたんぱく質は、加齢とともに減少するそうです。
なぜ母親の加齢とともにダウン症児が生まれる確率が高くなるのかという問いに対する一つ答えになりそうです。
将来的にはこのタンパク質の減少を抑えることにより、ダウン症児が生まれる確率が減少する可能性があります。
ダウン症の原因(最近の研究成果「タンパク質コヒーシン減少が主原因」)
②胎児中に知的障害の症状改善
以前、ダウン症の知的障害を改善させることができる化合物「アルジャーノン」が話題になりました。
ニュースが流れた当初は、ダウン症児が生まれてこなくなってしまうと誤解されていましたが、化合物「アルジャーノン」は、胎児中に知的障害を改善させる効果に限定されています。
将来的には広く使われる可能性があります。
また、本サイトのアンケート調査結果では、身近にダウン症者がいる方のほうが「アルジャーノン」を利用したい割合が多いという結果となりました。
逆に身近にダウン症者がいない方は、中絶を選択される方が多いという結果となりました。
ダウン症、胎児中に症状改善させる化合物発見?
ダウン症は治せる病気になるのか?ダウン症改善の化合物について
ダウン症治療「アルジャーノン」のアンケート分析結果
③ゲノムを編集し、合併症の発症を抑える
将来的にはゲノム編集(遺伝子操作)により、21番目の3本ある染色体のうち1本を不活性化できる可能性があります。
(ダウン症の合併症は21番目の染色体が通常2本あるところ、3本あることから起きます)
このことにより、ダウン症の合併症の発症を防ぐことができるようになるかも知れません。
④その他の研究
緑茶に含まれるカテキンがダウン症者の脳機能改善に役立つなど、いろいろな研究があります。
緑茶でダウン症の脳機能が改善(認知力が向上)
ダウン症に関する最近の研究(マウス実験でダウン症からの回復に成功など)
ダウン症者の脳機能に関する研究