以下の記事により、2018年3月13日から4月8日にかけて新型出生前診断の是非に関するアンケートを実施した結果について分析して見ました。
新型出生前診断、臨床研究から一般診療へ拡大(アンケート実施)
なお有効なサンプルデータは、33人分となります。
目次
1.ダウン症をもった子供がいる、身近にダウン症者がいる
「ダウン症を持った子供がいる」、「身近にダウン症者がいる」方に対するアンケート結果です。
- 新型出生前診断は止めるべき・・・ 8.3%(2人)
- 新型出生前診断は実施するべき・・25.0%(6人)
- どちらとも言えない・・・・・・・66.7%(16人)
ダウン症者が身近にいる方の場合、新型出生前診断に否定的な方が多いと想定していましたが、実際は8%に過ぎないことが分かりました。
ほとんどの方(67%)は、「どちらとも言えない」と答えています。
「新型出生前診断を実施するべき」と考えている方は、25%に留まっています。
次は、新型出生前診断を「止めるべき」、「実施するべき」、「どちらとも言えない」を選択した理由です。
(単位 人数)
「新型出生前診断を止めるべき」と考えている方の理由としては、「命の選別」、「その他」が1件ずつとなっています。
「新型出生前診断は実施するべき」と考えている方の理由としては、「高齢出産で障害児が生まれるかもしれない」、「既に障がい児がいるため」、「経済的な負担」、「その他」が2件ずつとなっており、ばらけているようです。
「どちらとも言えない」と考えている方の理由としては、「障がい者の存在を否定することになる」、「陽性だった場合に悩む」が多いようです。
2.身近にダウン症者はいない
「身近にダウン症者はいない」方に対するアンケート結果です。
- 新型出生前診断は止めるべき・・・ 0.0%(0人)
- 新型出生前診断は実施するべき・・85.7%(6人)
- どちらとも言えない・・・・・・・14.3%(1人)
ダウン症者が身近にいない方の場合、新型出生前診断に肯定的な意見を持っている方は、86%となりました。
「どちらとも言えない」と答えている方は14%であり、新型出生前診断は止めるべきと答えた方は0%でした。
こちらは想定した通りの結果でした。
次は、新型出生前診断を「止めるべき」、「実施するべき」、「どちらとも言えない」を選択した理由です。
(単位 人数)
「新型出生前診断を実施するべき」と考えている方の理由としては、「高齢出産で障がい児が生まれるかもしれない」と答えた方が多いようです。
「どちらとも言えない」と答えた方は、「命の選別」を理由に挙げています。
3.結論
「ダウン症を持った子供がいる」、「身近にダウン症者がいる」の場合、新型出生前診断の是非について「どちらとも言えない」という回答が多く、理由は「障がい者の存在を否定することになる」が最も多い回答となります。
一方、「身近にダウン症者はいない」方の場合、新型出生前診断の是非について「実施するべき」という回答が多く、理由は「高齢出産で障がい児が生まれるかもしれない」が最も多い回答となります。
この違いについては推測になりますが、「ダウン症を持った子供がいる」、「身近にダウン症者がいる」方は、新型出生前診断について理解を示しつつも、ダウン症者に配慮した結果ではないかと考えています。
今回のアンケートではダウン症者本人の回答はありませんでしたが、おそらく新型出生前診断について否定的な意見が多いのではないかと考えています。
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