ダウン症のある早希ちゃんがまだ小さい頃、私たちは、早希ちゃんがダウン症であることをかなり意識していたと思います。
歩けるようになるまで健常児よりも遅かったり、知的障がいがあり発話が遅かったり、いろんなところでダウン症を意識していたと思います。
今も発話はほとんどありません。
しかし、11歳になる早希ちゃんがダウン症であることに特別な意識をすることは少なくなりました。
それは、ダウン症やその他の知的な遅れなどが日常生活の中に溶け込んでしまい、意識しなくなったからだと思います。
決して忘れている訳ではないのですが、例えば、髪の色とか、目の色とか、肌の色とかと同じ特性の一つにしかすぎず、次第に当たり前になってしまったのだと思います。
こういった感覚は、ダウン症児と暮らしてみた経験がないと分からないかもしれません。
ダウン症を持ったお子さんが小さい場合、どうしてもダウン症のことが頭から離れられないと思います。
不安もあると思います。
将来について悩むこともあると思います。
それは、誰もが経験する正常な過程です。
しかし、やがては、日常の中に溶け込んでいくのです。
今は、そのような時期が来ることが想像できないかも知れません。
私たちも、早希ちゃんが小さい頃は、同じだったと思います。
時間はかかると思いますが、きっとそうなる時期は来ると思います。