目次

1.「ことばを言うこと」の発達が遅れる原因
ダウン症の「ことばを言える」の発達指標は次の通りです。ダウン症児の場合、なぜ「ことばの理解」に比べて「ことばが言えること」の方の発達が遅れるのかは、まだよくわかっていないようです。引用 ダウン症児のことばを育てる―0歳から生活のなかで p21
ダダダ、マママをいう 15か月 初めて意味のある語3語以上 「ぶーぶー」 「ジュース」 「ママ」 など 27か月 2語文 「ママ、来て」 3歳~3歳6か月
1.1.親と子供の関係が発達に影響
生後間もないころは、子供の将来の不安から、子供に話しかけたり、一緒に遊ぶということが積極的に出来ていないことがあるようです。 このような状態になると精神発達が遅れ、その結果、ことばの発達が遅れるようです。 ことばの発達の一部は、私たち親の子供への接し方が影響していると言えます。 また、医師の方については、親を支援することをしないと親の子供への接し方に問題が生じると思われます。 医師は、病気を治すプロですが、カウンセリング的な部分については改善する余地があります。(全員がそうではありませんが) 私たちの早希ちゃんが生まれた時の担当医師は、ダウン症であることを淡々と述べるだけでした。 これでは、親の不安感が増すだけです。 少しでも不安を和らげてあげることが必要です。
1.2.友達関係、外での経験が発達に影響
子供は、他の子供と一緒に遊ぶことで多くのことを学びます。 また動物園などいろいろなところに行くことで刺激を受けます。 これは健常児だけでなく、ダウン症児も同じです。 しかし、中には、子供を外に連れ出さない親もいるそうです。 いろいろ理由があると思います。 子供がダウン症であることを知られたくない、 親戚などから外に出さないで欲しいと言われる。 こういったことは、ダウン症児の親からも聞いたことがあります。 このようになると、子供は一日、家にいるわけですから、生活が単調となり、精神発達に影響する可能性があります。 精神発達は、ことばの発達と関連していることから、ことばの発達も遅れるようです。 このようにならないためにも、積極的に子供を外に連れていろいろ経験させることが大切です。
2.ことばの不明瞭さの原因
ことばの発声がきちんとできるには、大きく分けると次の2つに分けられるようです。 2.1.声帯、口腔、舌、口蓋など、ことばの発声の機能 2.2.正しい発生を習得するための大脳の機能2.1.声帯、口腔、舌、口蓋など、ことばの発声の機能
ことばを発生する機能に問題があると、ことばが不鮮明となるようです。
例えば、声帯です。
声帯の長さ、張度、形、厚さにより、声の調子や音色が変わります。
口腔は、ことばの言語音に影響します。
舌、口蓋も重要です。
これらの機能に問題があると、ことばが不鮮明となります。
2.2.正しい発生を習得するための大脳の機能
子供は、自分が発した声を聞き、正しい声であったかどうか認識します。
これを行うことで、自分の発声を親の発声に徐々に合わせていくことができるようになり、正しい発声が出来るようになります。
しかし、ダウン症児の場合は、この能力が弱いため、不鮮明な発声を修正できないのです。
また、正しい発声方法を学習する大脳の機能が発達していないことも原因として挙げられます。
これらのことを改善するためには、離乳食を食べる時期から、食べる機能を向上させることです。 食べる機能が向上することで発音に必要な機能も発達するからです。 離乳食の時期から固いものを噛む、口を閉じて飲み込むことができるようにすることが大切です。3.話しかけ方で「ことばが言えること」を発達させる
ダウン症児は、聴覚が弱いため、話しかけるときは、以下の点を踏まえて声を掛けると良いそうです。- 大きな声
- イントネーションをはっきりと
- 発声を単純化して繰り返す
- 明瞭な発声