東京都独自で副籍制度というものがあります。
目次
1.副籍制度とは
東京都では2007年度から始まった制度です。
都立の特別支援学校に通う児童が、地域の小学校、中学校にも生徒として副次的に「籍」を置き、健常児と交流を図る制度です。
副籍には「直接交流」と「間接交流」の2種類あります。
直接交流は、多くて月に1回程度、小学校、中学校に行き、行事や授業に参加するというものです。
直接交流の場合は、原則、保護者の付添が必要となります。
間接交流は、便り・作品・手紙の交換などを行うというものです。
2.目的は
私の解釈が含まれていますが、目的は、おおむね以下のようです。
幼児期は、健常児と同じ地域のサービスを受けているため、地域とのふれあい、特に健常児とのふれあいがあります。
しかし、いったん特別支援学校に入ると地域から孤立した状態となってしまいます。
これではせっかく幼児期にできた地域とのふれあいが断絶していまいます。
そこで幼児期にできた地域とのふれあいを特別支援学校に入学してからも継続させられるようにできた制度です。
また小学校、中学校に在籍している児童、保護者、学校の先生にとっても障がいを持った児童に対する理解が深まるといったメリットも期待できます。
3.課題
理想とは違い、利用者が少ないようです。
なぜかというと、月に1、2回程度であると小学校、中学校の児童からすると特別支援学校から来る児童はお客さんであり、密な交流は難しいと考える人が多いようです。
ところで私たちの早希ちゃんの場合、3年生まで小学校にいたため、早希ちゃんを知っている児童はたくさんいます。
そのため、副籍制度で小学校にお邪魔しても、自然と受け入れてくれるものと期待しています。
副籍制度の利用はこれからなので、実際に利用してみた感想については、また別の機会に記載します。
4.その他の自治体
東京都以外では、埼玉県は「支援籍」、横浜市は「副学籍」という制度があるようです。
残念ながらない地域の方が多いのが現状です。