⑥就学

ダウン症児の進路(小学校または特別支援学校)の選択

これから小学生に入学されるダウン症児の親御さんは、どの学校に入学させるか悩まれると思います。

私たちの早希ちゃんは、次のように変わりました。

  • 小学校(普通級)・・・・1年生
  • 小学校(特別支援級)・・2~3年生
  • 特別支援学校・・・・・・5年生(2019.3現在)

その経験から参考になると思われることがらについて述べたいと思います。

目次

1.入学する学校の選択肢

入学する学校の選択肢は3つあります。

この3つの中から選ぶことになります。

しかし、後で述べるように心理・発達検査結果などにより、特別支援学校を勧められることが多いようです。

  1. 小学校の普通級
  2. 小学校の特別支援級
  3. 特別支援学校

1.1 小学校(普通級)

①想定していたこと

授業の内容は、早希ちゃんには難しく、ただ座っているだけのことが多かったと思います。

ただ、私たちは早希ちゃんが授業の内容を理解はできないだろうと最初から思っていました。

むしろ健常児と日常、接することで覚えることがたくさんあるだろうと思い、普通級に入れましたので、あまり気にはしませんでした。

②良かったこと

日常的に健常児と触れ合っていることから、健常児のお友達が出来たことです。

また健常児にとってもうちの早希ちゃんと接することで障がい児に対する理解が出来るようになったようです。

早希ちゃんの成長が普通級にいたことにより促進されたかというと微妙なところはあります。

しかし、早希ちゃん自身が出来ないことは、他の健常児をうまく使う術を身に着けていたように思います。

そういう意味では、普通級に入れたことは正解だったと思います。

③期待と違っていたこと

うちの早希ちゃんは、一人で出来ないこと(トイレなど)があるため、補助する人を毎日、学校に来てほしいと言われたことです。

学校が補助員を付けてくれる訳ではありませんでした。

妻が毎日、クラスの後ろで待機していましたが、さすがに辛かったようです。

補助員は、家族の人である必要はありませんでした。

そのため、週に1回程度、ボランティア(学生さん)の方にお願いしました。

なお、ボランティアの方は、自分たちで探す必要があります。

(2019.3追記)

市区町村によって補助員が付けられるかどうかは異なるようです。

心配な方は、教育委員会の人に確認して見てください。

1.2 小学校(特別支援級)

特別支援学級とは、障がいのある児童に教育を行うための学級で少人数のクラスとなります。

①良かったこと

担任の先生以外に補助の先生が付きました。

そのため、妻が早希ちゃんの補助員として学校に通うことはなくなりました。

また早希ちゃんにあった教材を使い、勉強が出来るようになりました。

普通級の時と同様に早希ちゃん自身が出来ないことは、他の同級生を うまく使っていました。

同じ小学校なので普通級でお友達となった同級生は、廊下ですれ違った際、声を掛けてくれました。

②期待と違っていたこと

自治体によりますが、普通級と特別支援級とは交流がない場合があります。

私たちの通った小学校では普通級と特別支援級との交流は、運動会の練習以外はほとんどありませんでした。

1.3 特別支援学校

①良かったこと

小人数制のクラスのため、早希ちゃん個別の指導がされることがよかったと思います。

また、早希ちゃんにとってのびのびできるようで良かったと思います。

②期待と違っていたこと

いまのところありません。

1.4 副籍制度を使うという選択(2019.3追記)

私たちの早希ちゃんの場合、特別支援学校に転学した後、東京都の副籍制度を使い、もとの小学校の普通学級に月1回、通っています。

この副籍制度は、東京都独自の制度で2007年度から始まりました。

都立の特別支援学校に通う子供が小学校、中学校に副次的に「籍」を置いて、普通学級の生徒と交流を図るというものです。

副籍には次の2つがあります。

  • 直接交流
  • 間接交流

直接交流は、月に1回程度、小学校や中学校の普通学級で授業等に参加します。

直接交流は、原則として保護者も付き添います。

間接交流は、便り・作品・手紙の交換などを行うというものです。

この副籍制度は、現時点では手探りの状況でいままで交流がなかった普通学級に突然、特別支援学校の生徒が行ってもお客さんになってしまい、希望した交流が出来ないことが多いようです。

そのためか、副籍制度を使わない児童がほとんどのようです。

しかし、私たちは、特別支援学校の先生とともにこの副籍制度の在り方について模索している状況です。

この副籍制度の活用は、小学校の先生、特別支援学校の先生と一緒に考えていかなければうまくいきません。

最初は、副籍に否定的だった小学校の先生方も、なんども打ち合わせを行うことで肯定的に変わってきました。

現時点では、やや効果がある交流が図れているのではないかと思います。

先駆的なモデルケースとして今後も継続して行きたいと思います。

関連記事 早希ちゃん、副籍で小学校に行く(女の子の言葉にジーンときました)

2.どのようにして学校が決まるのか

学校を決めるプロセスは以下の通りでした。(自治体による異なるかもしれません)

  •  5月   就学相談説明会
  •  6月   特別支援学校見学
  •  7月中旬 就学相談1回目【心理・発達検査(IQチェック)】
  •  8月下旬 就学相談2回目【グループ観察】
  •  9月下旬 就学相談3回目
  •  1月中旬 小学校の校長先生と教育委員会と話し合い
  •  1週間後就学が決定

就学相談1回目では、教育委員会の担当者の方と話し合いを行い、進路の希望を聞かれました。

私たちは、小学校の普通級を希望しました。

就学相談3回目で、心理・発達検査(IQチェック)やグループ観察の結果、特別支援学校が妥当という判定が教育委員会から伝えられました。

しかし、私たちは小学校の普通級を希望していたため、そのように伝えました。

その後、希望する小学校で校長先生と交えて相談することになりました。

1週間後、小学校に進学することが決まりました。

最後は、校長先生の判断のようです。

2019.9.17追記

早希の場合、じっと座っていられると判断されたことから、校長先生が受け入れても問題ないと判断したようです。

すべての小学校がこの考え方かどうかは分かりません。

参考

就学相談から小学校の就学確定までの流れ(2013年5月から2014年1月 娘6歳)

3.進路先の決め手は何か(私たちの場合)

単純に知的障害の重さだけで決める訳ではありません。

普通級に通っているから知的障害は軽い方なのだろうと思う方もいるかもしれませんが、実はうちの早希ちゃんは、知的障害は重い方です。

トイレも行けません。(おむつをしています)

言葉もしゃべれません。

それでも普通級に通わせたいと私たちは考えました。

それはなぜかというと、健常児とのふれあいが多い方が早希ちゃんの成長に良い効果があると考えたからです。

勉強は始めからついていけないだろうと思っていました。

また早希ちゃんは、健常児ともうまくやっていけるところがあることも理由の一つでした。

幼稚園では、健常児と普通に遊んでいました。

そういったことを総合的に判断して決めました。

どこに入学させるかは、知的障害の重さだけでなく、その子の性格なども総合的に判断し、その子の成長にはどこが適切か考えた上で決めるのが良いと思います。

4.小学校就学に関するアンケート結果について(2019.3追記)

以前、このブログで行ったアンケート結果です。

就学前、小学校の普通学級、特別支援学級、特別支援学校のどこに通わせたいかと、就学後、どこに通ったかについて調査しました。

その結果をグラフ化してみました。

この結果を見ると就学前は、小学校の普通学級を希望していた人が約30%ほどいたのにもかかわらず、実際に就学できたのは、13%のみであったということです。

その代り、特別支援学級が多くなっています。

このことは、理想的には、普通学級を希望しても、現実的には学校側に受け入れる体制が整っていないということを示しているものと思われます。

別な調査では、普通学級に通わせる理由として一番多かったのは、健常児とのふれあいでした。

普通学級を希望していたのにもかかわらず、いけないのは残念なことです。

学校側には、補助員を配置するなど支援の拡大は必要です。

 

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