目次
胎児の成長過程
人工中絶の問題について述べる前に、胎児の成長の過程について見ていきたいと思います。
一般的には胎児の成長の過程は次の通りです。
妊娠週数 | 発育の内容 |
妊娠1か月
(0~3週) |
着床の時期
受精後、細胞分裂を繰り返します。 |
妊娠2か月
(4~7週) |
器官形成期
心臓、呼吸器、消化器などの器官が作られます。 |
妊娠3か月
(8~11週) |
胎芽から胎児へ
人間らしい姿になっていきます。 |
妊娠4か月
(12~15週) |
胎盤の完成
直接、胎盤から栄養が取れるようになります。 |
妊娠5か月
(16~19週) |
羊水の中で胎児が動くため、胎動を感じることができます。 |
妊娠6か月
(20~23週) |
聴覚機能が発達します。 |
妊娠7か月
(24~27週) |
羊水の中で胎児がより活発に動きます。 |
妊娠8か月
(28~31週) |
肺呼吸の練習をするようになります。 |
妊娠9か月
(32~35週) |
この時期から早産で生まれることがあります。 |
妊娠10か月
(36~39週) |
出産する段階となります。 |
人工中絶手術のできる期間
母体保護法により、中絶できるのは、妊娠22週未満と定められています。
なぜ妊娠22週未満でないと人工中絶できないかというと、妊娠23週以降は、胎児がお母さんの体から出てきても生きていられるためです。
また、建前上、人工中絶は以下のような場合に認められます。
妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの
人工中絶の問題
22週未満であっても、既に人の姿をしています。
お母さんの体から出てきても生きていられないとしても、命があることには変わりありません。
また、人工中絶は掻爬法(そうはほう)で行うのが一般的です。
鉗子(トングのようなもの)とキューレット(スプーン状のもの)の器具を使い、子宮内の胎児を体外に出します。
体外に出すといっても、そのままの胎児の形で出す訳ではありません。
掻き出すという表現の方が正しいと思います。
かなりショッキングな方法です。
人工中絶を考えている方は、この現実を理解した上でよく考えて判断した方が良いと思います。