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代理出産とは
代理出産とは、夫婦の受精卵を代理出産する女性(代理母)の子宮に入れ、夫婦ではなく代理母が代わりに出産することです。
日本で代理出産は、現状、日本産科婦人科学会の会告(1983年10月)により自主規制されています。
そのため、日本国内では基本的には行われていません。
しかし、子宮障害による不妊などで代理出産による方法でしか出産できない女性もおり、潜在的な需要はかなりあると思われます。
特に血縁を大切にする日本人は、養子縁組よりも血縁がある子供を欲しがる傾向があります。
代理出産の問題点
生まれた子供に障害があり、引き取られないケースや、受精卵を提供した夫婦が亡くなった場合どうするのか、そもそも人間が許される範囲を超えているなど様々な問題点があります。
日本では、代理出産であっても法律上、出産した女性が子供の親となります。(最高裁平成19年判決)
そのため、遺伝上は実の子であっても養子縁組が必要となります。
ダウン症児の引き取り拒否事件
2014年のことですが、オーストラリア人夫婦がタイ人の女性に代理出産を依頼しましたが、生まれた男女の双子のうち男児についてはダウン症だったため、女児のみ引き取り、男児の引き取りを拒否したというニュースが流れました。
生まれた子供は、代理母が引き取ったようです。
ただ、このニュースは、オーストラリア人夫婦からの反論もあります。
女児の引き取りを拒否したというのは誤解であり、子供を引き取ろうとしたが、代理母が別の施設へ入院したために契約は無効となり、夫婦に双子を引き取る権利はなくなったそうです。
しかし、その後、女児については、代理母が引き渡しに同意しましたが、ダウン症のある男児については同意しなかったということです。
そのため、男児は連れて帰ることができなかったそうです。
何が本当のことが分かりませんが、障がい児が生まれた場合、このケースから見てもトラブルになる可能性は高いと考えられます。