「きょうだい児を生きる 人生バイプレイヤー」という書籍を読みました。
「きょうだい児」とは、障がいや病気をもった子の兄弟や姉妹のことこです。
「きょうだい児」には、障がい児の親とは違う苦悩があります。
この書籍の著者には、ダウン症の弟がいます。
障がいを持った弟がいることによる「きょうだい児」としての苦悩について書かれています。
「きょうだい児」には、どのような苦悩があるのでしょうか。
「きょうだい児」は、親とは違い、気が付いたときには、障がいを持った兄・姉や弟・妹がいます。
障がい児が生まれると家族の中心は、障がい児となってしまい、そのことから家族の関係に歪みが生じます。
そのため、通常の家族であれば、受けられる愛情は、障がい児に向けられ、その他の「きょうだい児」への愛情は薄くなります。
愛情に渇望している「きょうだい児」は、親からの愛情を受けたいがためにいい子を演じようとしてしまいます。
このような心理は、意識の奥深く強く根付き、大人になっても変えることはできません。
人生の主役は、障がい児であり、「きょうだい児」は、人生バイプレイヤー(脇役)なのだと、この著者は語っています。
全ての「きょうだい児」がこのようになる訳ではないと思いますが、苦悩している「きょうだい児」は多いようです。
「きょうだい児」に対してもケアは必要です。
次の記事でも紹介しましたが、障がい児「きょうだいの会」という団体があります。
このような団体があるということは、それだけ苦悩している人が多いということです。
著者は、SNSを通して「きょうだい児」という言葉を知り、同じ悩みを持った人たちがいることを初めて分かったそうです。
この書籍を通して著者が伝えたいことは、親が子に与える愛情は、公平でなければならないということではないでしょうか。
著者は、自殺することを考えるなど深刻な状況だったようです。
この書籍は、ダウン症児の親にも読んで頂き、不公平な愛情が子供に与える悪い影響を知ってもらいたいと思います。
なお、「きょうだい児」の悩みはかなり深いものがあることから、このブログに新たにカテゴリー【障がい者の兄弟を持つ「きょうだい児」の苦悩】を増やしました。