以前、ダウン症者の立場からの出生前診断について記事を書きました。
出生前診断については記事「出生前診断とは?」を見てください。
ダウン症者の立場からは、ダウン症があろうとなかろうと命の重さは同じであり、ダウン症であるという理由で中絶させてしまうのは、納得できないことであると思います。
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一方、親の立場ではどうでしょうか?
親は、子供を育てていかなければなりません。
子供を育てること自体、大変なのは当たり前のことであり、ダウン症児が特別なわけではないと考えている人もいます。
しかし、現実的には、ダウン症児は健常児よりも育てるのが大変であることは事実として受け止めなければならないと思います。
合併症の重さにもよりますが、合併症がほとんどなかった私たちの早希ちゃんであっても大変なことが多々ありました。
例えば、トイレを含む身辺自立ができず大変な苦労がありました。
そのため、ダウン症児を持つ親が次の子を妊娠した際、出生前診断を受けることが多いようです。
いろいろな意見はあります。
ダウン症児の親であっても出生前診断に肯定的な意見は多いようです。
先日、日本ダウン症協会の代表理事である玉井邦夫先生の講演を聞きましたが、日本ダウン症協会としては、出生前診断を反対はしていないそうです。
私個人の意見ではありますが、ダウン症者の命も大切ですが育てるのは親です。
ダウン症児を育てるためには、健常児以上に環境が整っていなければなりません。
育てるための環境が準備できないのであれば、子供も親も不幸です。
そうなると中絶という選択が出てきます。
しかしながらダウン症者の命も大切です。
全ての子供の命の重さが同じであるならば、ダウン症という理由で排除されるのはおかしいということになります。
非常に悩ましい問題です。
どちらか一方を取ることはできません。
となるとダウン症者の命と育てる親の両方も大切であるという結論に行きつくことになります。
しかし、これが正しい答えなのかどうかは永遠に分からないでしょう。
親が悩み抜いた結果として、中絶を選択するということはやむを得ないことなのかもしれません。
ただ、安易に中絶を選択するのではなく、ダウン症のことを良く知った上で決断して欲しいと私は願います。
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