目次
1.みんな命の重さは同じ
大原則として障がい児であろうとなかろうと命の重さは同じであると私は考えます。
自分自身に置き換えて考えてみます。
もし、自分が他の人よりも命が軽いと言われたらどうでしょうか。
そんなことはない、自分の命だって他の人と重さは同じだと主張するでしょう。
障がい児だって同じです。
みんなどの人も命の重さは同じなのです。
2.命の選択~生まれてこなければよい命はない
生まれる前から障害をもっていることが分かった場合、生む生まないという「命の選択」の問題が起きます。
この問題について「命の重さは同じ」という原則に立って考えてみたいと思います。
これから生まれてくる子供の立場で考えてみます。
これから生まれようとしているときに、両親が生むかどうか相談しています。
そして障がいがあるという理由で生むのを諦めようとしていたとします。
生まれてくるはずの子供はどう思うでしょうか?
「命の重さは同じ」なのに障害があるという理由で自分の命が軽く見られている感じるでしょう。
そう考えると「命の選択」はあってはならないということになります。
3.不安を取り除くことが大事
「命の選択」について親の立場で考えてみます。
親の立場から、これから生まれてくる障害を持っていると分かったとき何を考えるでしょうか。
生まれてくる子供は不幸だと考える人がいるかも知れません。
家族が不幸になると考える人もいるかも知れません。
世間体を気にする人もいるかも知れません。
でももっとも悩むのは、育てられるかどうかではないでしょうか。
育てられるかという将来に対する不安が起きます。
それぞれ考えてみます。
①生まれてくる子供は不幸か?
厚生労働省による意識調査の結果、ダウン症の人の9割が「毎日幸せ」ということです。
ということは、決して生まれてくる子供は不幸ではないというこです。
参考記事
②家族は不幸になるのか?
決して不幸ではありません。
これは、障がい児と一緒に暮らしていないとなかなか分からないことだと思います。
世話の部分だけ見ていると大変だと思うのは当然だと思います。
しかし、長い間、一緒に生活していく中で大変さの意識はなくなり、逆の子供の可愛さの方が勝ってきます。
子供の可愛い姿を見ていると大変さは吹き飛びます。
逆に一緒にいることが楽しくなります。
だから、障がい者の家族は不幸かと問われれば、不幸でなくむしろ幸せだと思います。
参考記事
③世間体は?
世間体を気にする人もいると思いますが、ここで考えるべきは、障がいをもったお子さん自身です。
お子さんの気持ちを全く考えず、隠したいと考えている人は自分たちの体裁のみを気にしています。
まずはお子さんの気持ちを第一に考えるべきです。
④育てられるのか?
残念ながら今の国の制度は、十分ではありません。
アメリカでは、子供が生まれて間もないとき、個別チームが結成され、児童一人ひとりに対応した教育プログラムを作るそうです。
そして0歳から21歳までの発達に遅れがある子供たちに無償で公的な教育支援を受けられるそうです。
このような制度を日本でも作り、育てられるのかという不安を取り除く必要があるように思います。
参考記事
ダウン症に関するアメリカの取り組み「個別障害者教育法(IDEA法)」
親の立場で「命の選択」が起きないようにするためには上記のような不安を解消することにあると思います。