1990年代の半ばまで障がいを持った人たちは、優生学思想のもと不妊手術が行われていました。
優生思想とは、優れた能力を持っている父親と母親が結婚して出産を行い、優れた能力の子孫を残すことを繰り返すことで人類の進歩を促すというものです。
20世紀の初頭、この優生思想は、全世界で支持されていました。
この優生思想に基づく法律が悪名高い旧優生保護法です。
なんとこの法律は、1948年から96年まで生き続けていました。
96年といったらつい最近です。
不妊手術は、本人の同意は必要なく、半ば強制的に行われてました。
以前、このブログでも紹介しましたが、宮城県の60代女性Aさんは、2018年1月30日、仙台地裁に国家賠償請求訴訟を起こしていました。
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これを受けて与野党は、法整備を行うことになりました。
政府の方針としては、不妊治療自体は、違法性がなく、国の責任も認めない形で整備するというものです。
本日(2019年4月24日)、強制不妊救済法が参院本会議で可決され、成立しました。
この救済法では、次の2点について実施されるというものです。
- 反省とおわび
- 一時金320万円支給
やや不十分な解決ですが、以前からあったこの問題について少し前進はしました。
ただ被害者本人への通知はしないそうです。
自己申告ということになります。
中には強制不妊について知らされていない人もいると思います。
そういう点で本人に通知しないのは、問題がありそうです。
強制不妊の記録が完全に残っていないことが障壁となっているのかもしれませんが、調べる努力は必要ではないでしょうか。
また政府の責任を認めていないという点も引っかかります。
私は認めるべきであると考えます。
一時金320万円も少なすぎます。
そもそもこの問題は、かなり前から言われていたことですが、宮城県の60代女性Aさんが国家賠償請求訴訟を起こして初めて国が動き出したというものです。
どうして国はいつも腰が重いのでしょうか。